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 もみのきサイクリングコースのダウンヒルへ、提案
もみのきのサイクリンゴースが下りに入ると、厳しいコーナーが4つ現れます。うち2つがヘアピンコーナーでよりタイトなラインになります。
もみ耐でレース中、周回を重ねて下るのですから、この4つのコーナーをスムースに抜けるための”試み”のチャレンジされてはいかかでしょうか。
コース上の各コーナーの入口に「IN」の立てカンバン、そしてコーナーのトップ位置にパイロンを置いています。このトップの位置の決定はグーグルの
航空写真から設計を予想して決定しました。(公園にコースの設計図紛失されたようでみつかりませんでした。)
もみのきコース 周回ラップの紹介のページへ。
 提案内容リスト                                           ●提案内容の.pdf です
コース位置と航空写真    この4つのコーナーはすべて円で設計されている特徴があるようです
Aコーナー 
直径20mの円で構成されたヘヤピン
と次にほぼ直角コーナーとの複合コースです。

むつかしい!
 
 Bコーナー
直径40mの設計の円のコーナーで
傾斜が大きく下っており、バンクさせた
状態が、ナガッと思うこともありました。
見た目より、意外に自己主張するコーナーです。
 
Cコーナー 
水滴型のヘヤピンで頭は直径20mの円に
設計されています。出口が見えにくく
いきなり出口に木柵がせまってくるコワサ!
がまってます。あわてない!道幅しっかりあります
 
Dコーナー 
とてもおおきいと感じます。直径40mの円
で設計されていてBコーナーと同じですが、ここ
が大きいと感じます。バンクしている時間が
長くて、”オレ、ウマイ!!”と自己満足できます。
 
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● 市販されているロードライディンクのガイドブックからテクニックを抜粋して紹介してます
   コーナリングガイダンス(市販のガイドブックによる)
  • ロードバイクの科学」 ふじい のりあき スキージャーナル社
  •      フルブレーキングをしてからコーナリングに移行するとき、ブレーキを緩めるだけ自転車をバンクさせるという感じになります。こうすればより深く            コーナーに突っ込めますし、不安定なフルバンクの時間も短くすみます。
  •                                                   ※ブレーキ使用推薦
  • 「自転車ライディングテクニック」 竹谷賢二監修 実業の日本社
  •      コーナー手前で適切なブラーキングをおこなうことで、安全域までスピード落とすことができる。減速は直線部分で終わらせてコーナリング中は強く          ブレーキをかけないこと。
  •                                                   ※ブレーキは出来るだけ使用しない    
  • 「ロードバイクライディング完全ガイド」 満生 文洋 池田書店
  •      コーナー進入前に十分減速し、旋回中はブレーキをかけずに駆け抜けるのが理想だ。コーナー途中でブレーキをかけることになるとどうしてもぎこ        ちなくなってしまう。まずは低速でコーナーに進入しスムーズに曲がることを意識してみよう。
  •                                     ブレーキは使わない
 ガイダンスブックではコーナリング中のブレーキング操作に意見が分れている。
ふじいのりあきさんはホンダのエンンジニアでサイクリスト。竹谷さんはMTB全日本覇者(00.03.06.07.09、)満生さんは自転車屋店主。
コーナリング中のブレーキ操作の難しさがガイダンスからつたわってくるが、テクニックガイダンスにはなってないよ。
でもブレーキ操作がむつかいいよ!ってことは伝わってくる。
ガイダンスの中で最も詳しくブレーキングを説明してくれるふじいさんのガイダンスを紹介しよう。

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 ●コーナリング途中のブレーキ操作について
 コーナーを走行する自転車が路面をとらえて推進できるための摩擦力には、横方向へ流れるのを防ぐ摩擦力と前進する中で使用するブレーキングの摩擦力に
使われる。この二つの摩擦力の量は摩擦係数×重量で、その総量は決定される。コーナリングでバンクをかけてその摩擦力をすべて使うときの、ブレーキング動作は
タイヤの路面グリップを失わせ、転倒する。
摩擦力をコーナリング中に失う危険性にガイダンスの各著者は警告している。
 
人と自転車の総重量を70kg、摩擦係数(タイヤと路面との)を0.8とすると、摩擦力は56kgになる。これをコーナリングに使いブレーキングに使う。自転車が路面グリップを
もって走行できる範囲はトラクションエンベロープという図で表せる。横方向の摩擦力(バンクでのグリップ)とブレーキにつかえる摩擦力との関係はこのトラクションエンベロープ
で求められる。横滑りしない自転車のバンク角度はたとえば図のバンク1/2のときは、各々39kgまでの摩擦力が使えると図から読み取れる。自転車を立てたまま
では56kgまでキャパがあることになる。この場合バンク角度は0°になる。

 ふじいのりあきさんがガイダンスするコーナワークは、まずフルブレーキングそてコーナーへの進入速度を調整する。フルブレーキングと表現されるのは、ブレーキングの時間を
もっとも短くするため。ブレーキングでしぼったブレーキレバーを徐々に開放しながらコーナーのトップ(ここにパイロンが置かれる)にきたときにブレーキレバーは開放されて
いる
。となる。
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 ●コーナリングでのバンク角度について
 コーナリングで、自転車はどこまでバンクさせることが出来るのだろうか。
コーナリング中の自転車は、遠心力でそとに押し出そうとする力と重力を合成した力の傾きに対して、同じ力を内側へもってくるように傾いてバランスをとっている。
このバンク角度は摩擦係数から求められる。これによると重量80kg摩擦係数0.7ならバンク角度は35°になる。”ロードバイクの科学”。普通ゴムとアスファルトとの
摩擦係数は0.5、高圧空気をバネとしローダタイヤでは0.7になるのだろう。


35°は大変なバンク量でタイヤのハンガー部分のメーカー名などの印刷された部分に路面走行の痕跡が残るほど。サーカス仕様のバンクってことで、必要ない!アフラック!!だと思います。

実際にはどのくらい傾いているか、はわからない。身体にかかってくるGを”へそ”でとれ!なんて言われる。ひとつ目線を水平に保つことで、バンク角度に
かかわらず平衡を保ちやすい。飛ぶ生物たちはどんなに傾いても両目を水平にしている。ツバメ返しのなんのその、平衡をツバメ達はたもっている。空中
に放り上げられたネコも、両目をすぐに水平方向にむけ、地面にネコ足でフワーと立つ。

もみのきコースのコーナーは円で設計されているから、コーナリングでコース修正することはない。目いっぱいツバメに変身!です。

                           ※
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   もみのきコースのコーナーに水平バーを設置しています。

   
 ●タイヤのグリップのこと
 もみのきのコースは森の中です。木々は地中から水を吸い上げてまきちらしています。日差しは木々の葉っぱの間をさしこんで木漏れ日にひかります。地下水脈も木々に引っ張られてコース地中に張り巡らされ、小さな湧水が数ヶ所コース脇にでてきてます。森の湿気の中の深呼吸はとても壮快です。エアロビクスな自転車での運動は湿気で深い呼吸を可能にします。いうことない、のですが。

森の湿気がコースに苔を呼びます。とくに雨天では苔たちがとてもつややかで、細いタイヤは跳ね飛ばされそうです。大会で転倒が続くと苔のせいでは?
と心配します。苔の上にタイヤをもってはいかないでしょうね。コワイですよね。だから、大会前に4日かかって、路面を高圧洗浄して、レース直前に強風で路面を
ブローしています。洗浄作業をしだしてから転倒は圧倒的にすくなくなりました。ヤッタ!

ずっと、昔の話なんですが、車のラリーをかじっていたことがあります。ラリーで天候や路面からくるストレスは運転技術もありますが、タイヤがほとんど背負って
いろことを知りました。ラリーで路面は選べない、タイヤは運転手も選べない。タイヤの路面のグリップは、たとえば舗装路で①重力によるタイヤコンパウンドと路面との
一時的な引っ付き②トレーッドが路面の細かな凸凹に入り込み、そこから出るときの引っ張り出す力③は凸凹に入り込んだトレッドが抜け切れなくて千切れるとき
の引っ張る力、この3つから発生します。グリップはタイヤコンパウンドの性能にかかっていて、それに高圧の空気バネが力を合わせる。ラリーではタイヤ性能を教えられ
ました。タイヤの接点にむかって自動車の性能も運転技術もむかうのです。

そのころタイヤコンパウンドだけでなく、コンパウンドを支えるカーカスにあたらしい開発がありました。カーカスは繊維でつくられたタイヤの骨組みですが、それまでの2枚の
布を斜めのクロスして構造とするバイアスに、進行方向に横向きに、タイヤ中心から放射線状に構造するラジアルが発表されました。このラジアルタイヤの性能について
F-1ドライバーであった中嶋悟さんの話を聞きました。「限界だとおもっても、もうひとつグリップが残っている」といってます。
タイヤの摩擦係数は新しい技術革新によって、大きくなってくるのです。
自転車タイヤにラジアル構造を導入したメーカーはたくさんあったのですが、比較的早くパナレーサーの久保田という技術者が手がけました。ナイロンコードのチューブラーで
あったからか、評判良くなかった。そのころ、もう数十年も前ですが、マーケットも保守的でした。久保田さんはのち中国のタイヤメーカーにハンティングされて、WOの
ラジアルつくったみたいです。自転車の世界でも革新は続いているのですな。

ーナリングでは大きく回れば速度が速くなり、小さく回れば遅くなるのは、横への摩擦係数が同じだからです。その時間はあまりかわりません。安全性を考え
れば、ちいさなバンク角度で回れるラインが速いことに結果的になるでしょう。

コーナリングではコーナーのトップに入るのですが、うまいなー!って人は皆さん”トップの奥”を狙ってるといいます。どうしてかは、わかりませんが、自転車のコーナリングはリヤ荷重ですから、”トップの奥”を意識すればリヤホイールはちゃんとコーナートップを通過するのでしょうか。リアがコーナーを抜ける!という感じかな。

 雨の日の空気圧はどうしたらいいのでしょうか。
雨の日の走行は、路面の水圧とタイヤの空気圧との戦いだ。プールに飛び込むとき、ヘタな飛び込み方をすると体をうってとても痛いおもいをする。これは水が強い抵抗力をもっていることの証明である。水溜りの水にタイヤが体当たりしているようなもので、空気圧で路面の水膜をやぶり接地しやすくする。トレッドは縦方向の数本のラインに掘ってあり、これを溝として水を流している。(タイヤの科学/御堀直告嗣・講談社

タイヤの性能はがタイヤサイドに記載されている指定空気圧で実現できるとおもっている。開発者たちのメッセージではないだろうか。でも一方、自転車は経験則のものでもある。このことも開発者達は知っている。できたらお互いに会話があればいいのに。                             ※内容リストに戻る
 ●自転車の中のコスモス(宇宙)
 人が乗らなくても、自転車は時速14km/hで走る限り立って走っている。無人の自転車がみずからバランスを取る動きには、質量(ステアリングの重心)ふれーむーのトレイル、回転する車輪のジャイロ効果、すべてが関わっている。ところが、いまだにそれらが互いにどう関わりあってるかについては数値化できていない。実際、それらの作用のどれかを完全に打ち消してしまう特殊な形の自転車でも、自立走行できる。解明されていない最大の謎だ。
                                                                  Cycling Sience/Max Glaskin
 2013

   Cycling Sience

自転車のハンドルを左に切れば、車体は右へ起き上がってくる。この動きが端的な自転車の自立安定性の動きだ。この動きの数式化は2014にもまだされて
いない。いや、どこかでこのパソコンの時代にできてないはずない。物理学者や天文学者のサイクリストなら、やってそうだ。が、自転車のこの動きを経験から
仕上げてきたツールドフランスの人々(きっと彼らしかいないという思い込みですが)にカンパイしたい。数式なんていらない。自転車の宇宙・コスモスにカンパイ!


このハンドルを切る方向と逆に車体が起きることを、走行のテクニックにしている。いろいろ名前があるようだけど、一応”ターンイン”とよびます。このテクニックはコーナーAでは必須。左周りの円のコーナーの出口ですぐに車体をあおるようにバンクを変えなければいけない。すぐに次の右の直角なコーナーが待っている。ここは落車ポイントでもある。私もそのお仲間です。

自転車の自立安定性の動きを利用する。右回りのコーナーへまず左にハンドルを振らせるほどの動きをする。と、車体は起き上がって右へ沈もうとする。この動作にあわせて、内股や鎖骨でサドルをこじる。重心が右へ移ってくると、ハンドルをすこし右にふる。自転車の神様は宇宙から降臨されてこられる。
のぼりのトップからこのコーナーAのヘヤピンの間に、ハンドリングをちょっと練習です。普通にみなさんやってる動作ですから、意思を持って動作する、練習してみてください。もっと走りたくなって、4時間ではたりない、かも。

                          ※内容リストに戻る
 ●参考文献
     自転車ライディングテクニック/竹谷賢二監修/実業之日本社
     ロードライディング完全ガイド/満生文洋/池田書店
     自転車の教科書/堂城賢/小学館
     ロードバイクの科学/ふじいのりあき/スキージャーナル
     cycling science/Max Glaskin/河出書房新社
     自転車の科学/服部四士主/講談社
     タイヤの科学/御堀直嗣/講談社
     Bicycing Science/DaviaGoedon Wilson/The MIT PRESS